バラ単果の内生アブシジン酸量と活性炭を使ったリーチングによる発芽促進
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概要
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栽培バラ, 品種インスピレーションとノイバラの種子発芽阻害におけるアブシジン酸 (ABA) の関与を調べた. 25°C, 連続白色光照射下で, 果皮に包まれた種子 (単果) はまつたく発芽しなかったが, 単果から摘出した種子は高い発芽率を示した. 一度分離した果皮を一緒におくと摘出種子の発芽率は低下した. このとき, 単果, 種子, 種子+果皮から発芽床の水に溶出したABAを酵素イムノアッセイで定量したところ, ABA含量は単果で最も高く, 種子で最も低かった. 底部に多数の穴を開けた発泡スチロール製の平底容器に単果を並べ, 容器をビーカー中の蒸留水の表面に浮かべ,スターラーで水を攪拌して, 好気的な条件の下で単果を水洗したところ, 単果の発芽率は著しく高まった.このとき, 水に活性炭を加えると発芽率はさらに高まったが, poly-N-vinylpyrrolidone (ポリクラーAT) を加えても効果はなかった. このような活性炭を使ったリーチングによる単果の発芽率の改善は, 5°Cで行ったときに顕著であった. これらの結果から, バラ単果の発芽は果皮に存在するABAによって阻害されており,活性炭を使ったリーチングは, 果皮からABAを効率よく溶出することによって発芽を促進したものと考えられる.
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