柑橘葉外植体の離脱に伴う離層部細胞内カルシウムの局在
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概要
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四季橘 (Citrus madurensis Lour.) 葉の外植体の離脱に伴う離層部細胞内カルシウムの変化を,アンチモン沈澱法を用いて電子顕微化学的に調べた.固定液のグルタールアルデヒドとフォルムアルデヒド,および後固定液のオスミウム酸にアンチモン酸カリウムを加えることにより,細胞内カルシウムは黒い粒子として電子顕微鏡により検出できた.採取直後の外植体あるいはインドール酢酸処理の外植体では,カルシウム粒子は離層部のplasmalemmaに沿って,およびcyto-plasm内にごく僅か存在するのみであった.4日間の水処理でいくらか老化した外植体ではplasmalemmaに沿った粒子は増加し,細胞壁の中層にも多くの粒子が,またcytoplasmや液胞中にも僅かの粒子が存在した.トリフルオペラジン(TFP)処理により離脱中の外植体では,崩壊中の細胞壁中層内に多量の粒子が観察された.老化と離脱におけるカルシウムの役割について考察した.
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