ブンタン括約樹の花器発育, 結実ならびに果実品質に及ほす春季昼夜温の影響
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概要
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ポットに栽植の2年生カラタチ台トサブンタンを人工気象室に入れ, 昼夜温を15°/10°C, 20°/15°Cおよび30°/25°Cに設定したと同時に最高温度30°Cと最低温度15°Cのビニルハウス条件にも一組入れた. 処理期間は1992年4月1日から同年7月30日までで, 処理終了後は, 果実を収穫した1月25日まで, ハウス条件で全樹を生育させた. 温度処理開始時にはすべてのポットの樹幹が1.6mmの針金で60kgf.cmの強度で括約した. それぞれの針金は4ヵ月後に外した. 昼夜温が低くなるにつれて花房と花らいが増加した. 結果率は花当たりの葉面積が高い程高かった. 温度処理終了時の葉内糖および炭水化物含量は30°/25°C区を除いて昼夜温が低くになるにつれて高くなり, N含量は逆に低くなった. 高温区は生殖成長の速度を高め, 発育枝数, 全伸長量, 第一成長のクロロフィル合成, 樹幹の肥大率を増加させ, 樹幹に生じた凹みを深くさせ, 花器の乾物重を減少させたとともに, 酸含量を減少させたが可溶性固形物含量は差異を示さなかった. 低温処理は高温処理に比べて低い果重と低い糖酸比の果実を生産した. 30°/25°C区では同時期の全果に中軸柔組織の裂開が起こった.