北海道に於ける輸出球根類栽培に關する研究 I:百合類の球割れに就て
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概要
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1. 百合根栽培上北海道に於いて特に障害をなしてゐる球割れの實態を, 赤鹿の子, 角田, 黒軸鐵砲百合の3種に就き調査し, 併せて球割れの生起時期, 球割れの形態學的觀察をした。2. 3種類共に植込球重量と球割れ率との間に正の相關々係が見られる。即ち植込球重量大なるものに於いて割れる率は大きい。個體的に異數なものが見られるがこれは榮養的障害の結果と考へられる。3. 球割れ率が略50%を示す植込重量の限界線は赤鹿の子にありては70〜79g代, 角田では20g邊, 黒軸鐵砲百合では7g代に見られ, 此の點赤鹿の子はこれら3種中最も大球性であり, 角田, 黒軸鐵砲これに次ぐ。4. 植込球の主莖基節に新球が形成されるのは大體に於いて地表發芽前後にある。實生苗及鱗片繁殖による苗にあつては根出葉の間から主莖が抽出し始める頃にある。而して此の新球形成に先立つ時期に發育が阻害される場合に球割れが多くなるものと考へられる。
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