生長物質の落果防止に對する效果
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概要
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1. 横野柿の後期落果減少に對して, ナフタリン醋酸0.005%液撒布は效果が多少ある場合もあり, 然からざる場合もあり, ナフタリンアセトアマイド0.005%液撒布は全く效果が見られなかつた。2. 横野柿に就て一致した成績が得られなかつたのは2, 樹に依り, 更に同一樹でも枝に依り後期落果の變異が著しく大であつたが爲めであらう。落果の處理に依る差よりも樹又は枝に依る差の方が大であつた。3. 慈梨の後期落果減少に對してはナフタリンリン醋酸0.005%液を8月下旬に第1囘の撒布をした場合は撒布により落果を多少減少せしめたが, 遲くれて9月20日に第1囘撒布を行つたものは落果減少の效果が見られなかつた。このことは前年行つた實驗の結果と一致してゐる。4. 油桃興津に就いてナフタリン醋酸及びナフタリンアセトアマイド0.005%液の幼果撒布は何れも落果減少の效果が無つた。5. 温州蜜柑に就いてもナフタリン醋酸とナフタリンアセトアマイドの各0.01%及び0.005%液の幼果撒布は落果減少に效果を示さなかつた。6. 南瓜に就いてはナフタリン醋酸及びナフタリンアセトアマイドの0.005%液を花後1〜2日の幼果に撒布したものは初めの内は落果著しく少なかつたが, 後に次第に多くなり,ナフタリンアセトアマイド撒布は無撒布より却つて落果が多くなつたが, ナフタリン醋酸撒布は終りに於ても多少落果が少かつた。7. 南瓜の花の柱頭へ撒布したものはナフタリン醋酸, ナフタリンアセトアマイド共に落果防止の效果が無つた。(昭和17年7月10日)
- 園芸学会の論文