菠薐草の種子の大小並に熟度と發芽との關係
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概要
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1. 新潟縣農事試驗場園藝部に於て菠薐草, ロングスタンディングを用ひ昭和13, 14,15年種子の大小熟度と發芽との關係を調べた。2. 菠薐草は7粒内外塊状となつて1花軸に着生し, 其一群中の大小の變異が甚しいものである。3. 菠薐草は大粒程發芽惡く中小粒最良く極小は又惡くなつてゐる。4. 過熟は完熟より完熟は9分熟より發芽が惡かつた。5. 剥皮すれば全部發芽したるを以つて過熟粒及び大粒は半硬實の傾向を帶びてゐる。6. 過熟は完熟より大粒は小粒より種實に對する果皮重の比率高く, 亦果皮が發達して厚い事が分つた。7. 熟度大小により收量は大差なくむしろ發芽%, 發芽速度が實際の收量に影響を與へるものである。8. 一般種子は選別すると大粒が重量的に最も多く數から云へば中粒が最も大であり粒の大小は遺傳しない。1株平均150粒位で株が粗生すれば600粒位着生する。9. 種子の大小と性比は無關係の如くであるが, 環境により比率が左右され事がある。10. 菠薐草採種には刈取り時期を失してはならぬ。とかく過熟に陷る場合が多い。