自己組織化ナノチューブチャネルの液相ナノ空間化学
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概要
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ボトムアップ化学的手法を駆使し,的確な分子デザインを施した両親媒性分子を水中で自発的に組織化することで,サイズ次元及び内外表面官能基の配置が精密に制御されたナノチューブの構築に成功した.両親媒性分子の単分子膜構造から成る内径10〜100 nmの親水性に富んだナノチューブチャネルが,生体高分子やナノ粒子に対してメゾスケール系ホストとして機能すること,pHや温度といった外部刺激により貯蔵と放出のスイッチング制御が可能であることを実証した.また,ナノチューブチャネルでは,ゲストタンパク質の輸送拡散が強く抑制されること,熱的や化学的安定性が著しく増大するなど,液相ナノ空間特有の現象を見いだした.さらに,ナノチューブがネットワーク階層化したナノチューブハイドロゲルの創製にも成功し,従来の高分子架橋ハイドロゲルが持ちえないナノ空間特性を有する生体高分子用分析マトリックスとして機能することを明らかにした.