大陰唇に生じた基底細胞癌
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概要
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58歳女性。1ヵ月前に少量の出血を伴った陰部の皮疹に気付いた。近医産婦人科を受診し, 細胞診にてclass III (疑陽性) であったため, 当科を紹介された。当院初診時, 右大陰唇中央に4×15mmの黒褐色結節を認めた。潰瘍, 出血はなかった。生検組織では表皮から連続して真皮に向かって大小の腫瘍胞巣が増殖していた。腫瘍細胞は基底細胞様細胞で, 腫瘍胞巣の辺縁は核が柵状に配列し, 胞巣と間質の間には裂隙が存在した。以上より臨床型は結節型, 組織型は充実型の基底細胞癌 (BCC) と診断した。腫瘍は局所麻酔下にて全摘出した。当院における過去9年間のBCC58例中, 外陰部に発症した例は3例 (5%) であった。BCCは顔面を主とした露光部に好発し, 外陰部などの非露光部での発症は比較的稀である。