第一原理計算による高機能性ケイ素π電子ナノ材料の基本単位の構築
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概要
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本総説では、高機能性ケイ素π電子ナノ材料の厳密に本来のπ電子をもつ基本単位の構築に関する我々の第一原理計算による研究を紹介する。ケイ素は炭素と同族であるが、不飽和ケイ素化合物の構造は不飽和炭素化合物と異なりいわゆる非古典的であることが知られている。即ち、ケイ素二重結合および三重結合化合物はトランス折れ曲がり構造をしており、ケイ素六員環は椅子型構造をしている。我々は、最近、従来のアルキル基、アリール基などの置換基のかわりに電子を使うことで、直線型D∞h対称性ケイ素三重化合物やD6h対称性ケイ素六員環など厳密に本来のπ電子をもつ基本単位を理論的に設計することに成功した。主に我々の発見をまとめるとともに、ケイ素π電子系の古典的構造を実現するための鍵となる点について議論する。
- 日本女性科学者の会の論文