東北地方北部の亜高山帯の植生史に関する花粉分析的研究
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概要
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現在, 針葉樹林帯をもつ八甲田山と, もたない白地山, 田代岳の亜高山帯の植生史を比較するため, これらの山岳の亜高山帯の湿原堆積物の花粉分析を行ない, 花粉帯を区別した。次に, 各湿原堆積物中に挾在するテフラを時間指示層として用い, 各花粉帯の対比を行なった。その結果, いずれの山岳の亜高山帯でも, 約4,500〜3,000年B. P.には, ミヤマナラなどを主とする落葉低木林が成立していた。その後, 八甲田山では, アオモリトドマツが増加して亜高山針葉樹林帯を形成したのに対し, 白地山, 田代岳は, 落葉低木林のまま現在に至っている。
- 東北地理学会の論文