宮城県小牛田町の請負耕作にみる経営耕地の拡大の問題点
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概要
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小牛田町は, 請負耕作の進行が全国で最も著しい地域のひとつである。本稿は, その発達の経過を調べ, さらに農家の経営耕地の分散化という視点から請負耕作を考察した。現在, 小牛田町では耕地の貸借関係が同一集落内だけでなく, 集落間でもさかんに行なわれるほど請負耕作が進んでいる。しかし, 委託希望農家の増加によって, 耕地の受委託の需給関係にアンバランスが生じている。また, 小牛田町下小牛田集落の請負耕作の受託農家の事例を見ると, 積極的に経営規模を拡大した稲作専業農家では, 耕地の分散度が高まり, こうした規模拡大には一定の限界があることが明らかである。畜産部門に力を入れている農家では, 借入耕地を自分の家あるいは自作地付近にのみ限定し, 経営耕地の分散化を避けていることがわかった。