豪雪山村における住民の生活行動 : 山形県西川町大井沢地区を例として
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
本稿は, 山形県西川町大井沢地区を対象として住民の通勤・通学・買物・通院という4つの行動の実態を把握することにより, 豪雪山村における住民の生活行動の特質について考察したものである。各行動の空間的パターンや利用交通手段においてみられる特色は, (1) 行商や出張診療所のように, 通常の場合は住民が行動して到達するサービス機会が, 住民の側へ移動してくる, (2) 種々の行動の際の交通手段として送迎バスが準備されている, という2点にまとめられる。このことから, 対象地域住民の生活行動は, 自治体あるいは企業や商人による対応が顕著に反映されたものといえる。しかしながら, こうした対応があっても冬期間の積雪の影響は払拭できない。その例として, 家から除雪道路までの「道つけ」作業や, 除雪道路沿いに設置される仮車庫, および「夏山冬里」の存在が指摘できる。
- 東北地理学会の論文