山形県最上地域における工場の降積雪への対応とその問題点
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概要
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山形県最上地域に立地している工場が, どのように降積雪を克服しているのかを明らかにし, その対応過程で生じる問題点を考察した。工場は除雪方法によって, 委託のみで除雪を行う工場, 従業員のみで除雪を行う工場, 委託・従業員両方で除雪を行う工場の3つに分類できる。除雪方法は従業員の就業形態および工場の受注状況, 敷地面積, 駐車場の確保などに強く規定されており, 業種別に特徴的な形態として表れている。従業員による除雪は, 経営側の経費負担を軽減させるものとなっており, 従業員の「空き時間」を利用することで, より一層の負担軽減を実現している。この顕著な例は, 小規模下請工場にみられる就業時間外従業員除雪作業である。従業員の遅刻に対する工場の措置は, 冬期時間の採用のほか, 遅刻者の賃金をてん引きするという対応がみられた。それらの措置は進出型の衣服および電気機械工業に多い。