都市内小売商業地域の類型分析の再検討 : 浜松市を事例に
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概要
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近年発表されている都市内小売商業地のいわゆる総合的類型分析には, 本来客観的な因子解釈の基礎となるべき小売業種の性格把握が不明確で, 逆に本来都市地域の実感的理解を通して行うべき類型解釈が機械的に偏っているという, 二重の問題点が感じられる。そこで本研究では, 1985年の浜松市のDIDを対象として, 小売業種の分布型を論理的に定めて因子解釈を明快なものにし, より実感的な商業地類型の考察を試みた。はじめに, 都心からの距離ごとに41小売業種の特化係数を算出し, それらがあらかじめ定めた分布型のどれに相当するかを判定した。つぎに, 対象地区 (302メッシュ)×小売業種 (41) の店舗数データに基づいて因子分析を行い, 明快な解釈が可能な4つの因子 (都心特化, 周辺分散, 幹線特化, 局所特化) を得た。これらの因子得点を用いてクラスター分析を行ない, 実感的な解釈を行った結果, 都心, 都心周辺料亭・宿泊特化, 下町的最寄, 旧幹線型場末, 新幹線型複合, 自動車・郊外大型店特化, 郊外最寄の7つの商業地類型を得た。