都市における宿泊施設の立地と推移 : 長野市を例として
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
わが国においては, 1970年代に宿泊施設の数が急増している。これをホテルと旅館に分けてみると, 1972年頃に旅館数が頭打ちになり, 代わってホテル数が急増した。長野においても同様の傾向が認められる。長野における旅館とホテルの分布は大きく異なっている。旅館が善光寺の門前やその周辺を中心に立地しているのに対して, ホテルは長野駅周辺地域を中心として立地している。また, ホテルはそのほとんどが都心地域に立地しているのに対して, 旅館は都心地域外に立地しているものも多い。規模は, 旅館よりもホテルのほうが大きい。また, ホテルが立地しているところの路線価格は, 旅館が立地しているところに較べて高く, 価格の上昇率も高い。さらに, 路線価格の高いところに立地しているホテルのなかには, 旅館がその営業形態を変更したものも認められる。以上のように, 都心の拡大と核心地域の移動がみられる都市においては, かつての核心地域には旅館, 新しい核心地域にはホテルという宿泊施設分布の差異が生じている。すなわち, 都市地域における宿泊施設は都心のメルクマールとなるものであり, 旅館が集中して立地している地域は高度経済成長期以前の核心地域, ホテルが集中して立地している地域はそれ以降に形成された核心地域と考えることができる。
- 東北地理学会の論文
著者
関連論文
- 長野市における冬季五輪開催と農地転用
- 長野県におけるコミュニティバスに関するノート
- パソコン通信の情報処理教育への活用
- 都市における宿泊施設の立地と推移 : 長野市を例として
- 須坂はどんなところ : 地域学習のための教材として
- GISを用いた地域変容学習のための教材の有用性
- GISを用いた地域変容の把握 : 長野市を例として
- ながの学ことはじめ:北信名称考
- ながの学ことはじめ:北信五岳考
- 長野中心商店街の構造に関するノート
- 長野冬季オリンピック開催にともなう都市基盤の整備と課題(中部支部)
- 長野における中心商店街の変容に関するノート : ポストオリンピックにおける長野を考えるために
- 長野県における温泉観光地に関する予察的考察 : 山田温泉を事例として
- 山梨県における商業地システムの変容
- パーソナルコンピュータを利用した地域情報処理 : 長野市における重心位置の算出