胆石形成食投与における肝外胆管の形態学的変化 : ハムスター胆石実験モデルを用いて
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概要
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ハムスター胆石実験モデルを用いて, 胆石形成食投与後1, 2, 4, 6週の肝外胆管を肝側 (S-BD) と十二指腸側 (I-BD) に分け, 光顕•電顕的に観察しその形態学的変化を検討した. さらに多糖類染色により肝外胆管杯細胞の粘液成分の変化についても検討した. 胆石形成食投与後の肝外胆管は対照に比べ, 光顕的にはS-BD, I-BDともに杯細胞の増加を認め, 特にI-BDでは杯細胞の著増と, 粘液成分もsulfomucin から粘稠度の高いとされる sialomucin へと変化していた. さらに電顕的には, S-BD, I-BDともに上皮細胞の核上部に多くの分泌顆粒を認めた. 以上の結果から, 胆石形成食投与のみで肝外胆管が粘液分泌亢進状態になることが明らかとなつた. このことは胆管上皮細胞を保護する反面, 胆汁の粘稠度が増加し二次的な胆汁のうつ滞が肝外胆管下部に生じ, 臨床上観察される胆石症に伴う胆管炎や膵炎の原因の一因子となり得ることが示唆された.
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