破裂肝癌の出血部位描出における各画像診断法の有用性の検討
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概要
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過去3年間に経験した破裂肝癌症例18例について, 各画像診断法の有用性を検討した. 超音波検査では, 出血部位は腫瘍周囲に限局した高 echo 領域として4/15例 (26.7%) で推定し得た. 腹部CT検査では, dynamic CTで腫瘍被膜の濃染とその部位に連続して広がる腹腔内高吸収域として, またlipiodol 動注後のCTでその腹腔内漏出により出血部位を3/18例(16.7%)で推定し得た. 血管撮影では,造影剤の漏出により2/13例 (15.4%) で出血部位を診断し得た. これらを総合すれば8/18例 (44.4%)で出血部位を推定することができた. 今後, これら画像診断を適当に組合せ出血部位を診断することで,緊急TAEによる破裂肝癌に対する治療成績を向上させることにつながると考えられた.
著者
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内田 潔
静岡済生会病院循環器科
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山本 均
静岡済生会総合病院 消化器内科
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小長谷 敏浩
静岡済生会総合病院消化器内科
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中田 進
静岡済生会総合病院消化器内科
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岩瀬 弘明
静岡済生会総合病院消化器内科
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笠原 英子
静岡済生会総合病院消化器内科
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