肝障害時における胃粘膜変化について : 特に粘膜血流, PDを中心に
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概要
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Dimethylnitrosamine (DMNA) 投与肝障害犬, 慢性肝障害患者について, 内視鏡下に胃粘膜の血流と transmucosal electrical potential difference (PD) を測定した. 肝障害犬では肝障害の悪化に伴い, 胃粘膜血流, PD, 肝血流は低下し, 門脈圧は上昇した. 粘膜pHはDMNA投与8週までは上昇したが, 12週以後からは投与前に比べ低下した. 臨床例において, 胃体部粘膜血流は肝硬変例では健常例, 慢性肝炎例に比べ有意に低下, これは食道静脈瘤を有する例で著明に低下した. PDは慢性肝炎例, 肝硬変例では健常例に比べ体部, 前庭部ともに有意に低下し, また食道静脈瘤の悪化に伴い体部PDは有意に低下した. 以上のことから慢性肝障害時には胃粘膜循環障害が存在し, 粘膜の脆弱化が示唆された.
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