ナス科野菜における雄性不稔系統の大量増殖法
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概要
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トマトおよびピーマンの雄性不稔系統を用いて, 葉片と茎頂の外植片をLS培地に置床し, 調節した環境条件下, in vitro 培養した. Indoleacetic acid (IAA) とサイトカイニンに対する外植片の生長および形態形成反応を種々の濃度の組み合わせで比較した.両野菜の葉片とも, IAAとゼアチンの組み合わせは, IAAと 6-benzylaminopurine (6-BAP) またはカイネチンの組み合わせよりも苗条分化に効果が高かった. カルス上における多数の苗条分化は, トマトではゼアチン1mg/l, ピーマンでは5mg/lの単独添加培地で生じた.これらの結果を踏まえて, 茎頂由来または子葉由来の幼苗の大量増殖法を開発した. 多数の再生植物を発根後, 植木鉢に移植し, 生長した植物での形態上の遺伝的変異を調べたところ, 両野菜とも稔性回復の徴候がほとんど認められなかった。
- 日本植物細胞分子生物学会の論文