慢性頚髄損傷患者における胃排出機能
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概要
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慢性頚髄損傷患者における上部消化管運動障害を検索する目的で, 試験食 (牛乳400ml) による胃排出機能検査を行うと同時に血中のガストリン濃度を経時的に測定した. その結果, 対照群では胃排出時間T1/2が44分34秒±4分2秒であつたが, 頚損群では著しい排出遅延が認められ, T1/2が60分以上を要した症例が56%の多くを占めた. また空腹時血中ガストリン濃度も, 対照群に比べて高値を示す傾向が認められた (p<0.01). 試験食負荷後のガストリン放出反応は, 対照群の多くが30分と90分にピークを持つ2峰性の反応を示すのに対し, 頚損群のほとんどは異なつた型の反応を示すことがわかつた.