サフランの雌しべからのカルス誘導と色素の生産
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概要
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長さ3〜5cmの蕾をサフラン球根から採集し, 滅菌処理の後, 雌ずいを寒天培地に置床してカルス誘導を試みた. 用いた培地は, Murashige-Skoog (MS), White (WH), Nitsch-Nitsch (NN) およびMS培地の基本培地を半分に希釈した物 (1/2MS) である. 添加した植物ホルモンは, ベンジルアデニン, カイネチン, インドール酢酸, ナフタレン酢酸である. カルス誘導はMS, 1/2MS, NN培地でBAとNAAが1mg/lの時最も良好であった. 一部カルスは柱頭状器官を分化した. 器官分化しないカルスを選抜法により確立した. 分化しないカルスの生長は分化するものに比べ著しく遅かった. カルスは赤色色素を生産した. カルスの色素から, クロシン, クロセチン三グルコース, クロセチン二グルコースの3種が検出された. 三者の重量比は20:10:1で雌しべにおける比と同じであったが, 生産量は雌しべに比べ1/10であった.
- 日本植物細胞分子生物学会の論文