植物生長調節物質を含まない培地におけるニンジン分果からの不定胚形成能の品種間差異
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概要
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受精胚由来の植物が発芽したあとのニンジン分果を植物生長調節物質を含まない Murashinge and Skoog の培地で培養し, 不定胚形成能について検討した. 供試した8品種群19品種すべてについて不定胚形成を認めたが, その形成頻度は品種により異なっていた. 長崎五寸群に属する6品種は54%以上の不定胚形成頻度を示し, 特に“陽明五寸”は62%以上の高い頻度を示した. また, チャンテネー群に属する5品種は20%程度の不定胚形成頻度を示した. 一方, 東洋系ニンジンである金時群の3品種は, 他の品種群とくらべて, 4%以下と低い不定胚形成頻度を示した. これらの結果からニンジン分果の不定胚形成能は品種あるいは品種群によって異なり, それは環境要因よりも, むしろ遺伝的要因によると考えた.
- 日本植物細胞分子生物学会の論文