水素クリアランス法による肝局所血流量の研究
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概要
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水素クリアランス法を用いて種々の条件下のラット肝の局所血流を測定して,次の結果を得た.(1)正常ラット肝の異なる部位の局所血流量(H. B. F)に差はなかつた.(2)約35%の血圧降下で H. B.Fは肝門部で約30%,肝辺縁部で約37%減少した.(3)肝動脈結紮でH. B. Fは約22%減少した.(4)背臥位から垂直位への体位変換でH. B. Fは約21%減少し,再び背臥位に戻すと約18%回復した.(5)Glucagon・Insulinの門脈内注入でH. B. Fは約21%増加した.(6)Glucagon・Insulin腹腔内投与時の部分切除肝の再生率は対照より大であつたがH. B. Fとは相関しなかつた.(7)四塩化炭素傷害肝のH. B. Fは対照より約22%増加した.p-Hydroxyphenyl salicylamideの併用によりH. B. Fは対照より約53%増加し,また肝傷害は軽微であつた.
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