胆道系癌84例の臨床病理学的研究 : 病理学的予後因子の検討を主として
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概要
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最近13年間に経験した胆道系癌84例(肝内胆管癌15例,肝管癌18例,三管合流部癌7例,膵上部胆管癌12例,膵内胆管癌13例および膨大部癌19例)を用いて,臨床病理組織学的に予後因子を検討した.男女比は2.5対1,平均年齢59.0歳,切除率48.8%,耐術率77.4%であつた.上部に比べて下部胆道癌ほど切除率が高く,予後も良い.腫瘍の切除は組織学的分化度と必ずしも相関せず,多くの腫瘍は先端部でScirrhous typeすなわち,I.N.F.,γを呈しやすいが,膵内胆管癌や膨大部癌では解剖学的位置関係により,en bloc切除可能で,予後も良い.組織学的進展•深達因子(Ly., V., P., H.)は予後を反影する.膨大部癌での肉眼型と予後は相関するが肉眼型と組織型は必ずしも相関しない.5年生存率は,膵内胆管癌27.3%,膨大部癌10.5%に認めた.予後を高めるためには,早期診断とen blocに根治的切除を行い,adjuvant療法の必要性を感ずる.
著者
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横田 峻
京都大学•医学部•第一外科学教室
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金 清一
京都大学•医学部•第一外科学教室
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高三 秀成
京都大学•医学部•第一外科学教室
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高橋 純一
京都大学•医学部•第一外科学教室
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戸部 隆吉
京都大学•医学部•第一外科学教室