α-Fetoprotein の臨床的研究
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概要
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Kohn の免疫拡散変法により各種疾患 779例について α-Fetoprotein の臨床的検討を行なつた結果, 原発性肝癌のみならず各種の病的状態においても検出されることが明らかになり, その特異性は否定的となつた. 殊に急性重症肝炎では70%の高頻度で α-Fetoprotein を認め, しかも発病当初においてもその出現が確認されたことは, α-Fetoprotein の産生機序を単に肝細胞の再生現象だけに帰するわけにいかないことを裏付けている. 更に α-Fetoprotein の消長は死亡群と生存群とにおいて明らかに異なつた態度を示し, 予後判定に重要な指標となりうる可能性がある. 一方 α-Fetoprotein と Australia 抗原との関係は, いずれの疾患の場合でも α-Fetoprotein 陽性例は陰性例に比し Australia 抗原の陽性率が高い傾向にある.
著者
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河合 忠
日本大学臨床病理学教室
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結束 敬基
日本大学有賀内科
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大野 康則
日本大学有賀内科
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荒川 泰行
日本大学有賀内科
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日野 邦彦
日本大学有賀内科
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桑名 斉
日本大学有賀内科
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大久保 仁
日本大学有賀内科
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具島 正倫
日本大学有賀内科
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細田 陽子
日本大学有賀内科
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加藤 昭
日本大学有賀内科
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藤田 実彦
日本大学有賀内科
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伊藤 新
日本大学有賀内科
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長谷 克
日本大学有賀内科
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松田 重三
日本大学臨床病理科
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河合 忠
日本大学臨床病理科