食用油の脱臭及び加熱時におけるクエン酸の熱分解について
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
50または1000ppmのクエン酸を含む大豆油をいろいろな条件で脱臭した。脱臭油中のクエン酸とその分解生成物, すなわちアコニット酸, イタコン酸及びシトラコン酸を, ガスクロマトグラフィーで定量した。大豆油にクエン酸を50ppm添加したとき, クエン酸だけしか見つけることはできなかった。そしてクエン酸含量は脱臭温度が高くなり, また脱臭時間が長くなるにつれて減少した。大豆油にクエン酸を1000ppm添加したとき, 多量のクエン酸のほかに, 少量のイタコン酸とアコニット酸の生成がみられた。<BR>50または1000ppmのクエン酸を含む大豆油を常圧でいろいろな条件で加熱した。結果は脱臭のときと大体同じであった。クエン酸を1000ppm含む大豆油を高温で加熱したときアコニット酸やイタコン酸のほかにシトラコン酸も生成した。<BR>以上の結果から市販の食用油ではクエン酸分解生成物のシナージスト効果は無視して良いことがわかった。
- 社団法人 日本油化学会の論文
著者
-
宮腰 宏治
The Sugiyama Chemical and Industrial Laboratory
-
菰田 衛
The Sugiyama Chemical and Industrial Laboratory