疎水性空間を有するコーン型ホルミルニトロカリックス [4] アレーンの合成
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概要
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カリックス [4] アレーンにホルミル基 (電子供与体であるポルフィリンのシントン) とニトロ基を選択的に導入し, 更に水酸基をクラウンエーテル鎖で架橋することによりコンフォメーションをコーンに固定することに成功した。まず, 25, 27-ジメトキシカリックス [4] アレーン-26, 28-ジオール2の4つのフェノールの一つをジクロロメチルメチルエーテルでモノホルミル化し, 次に酢酸, 硝酸系で位置選択的にモノニトロ化し, 5-ホルミル-17-ニトロ-25, 27-ジメトキシカリックス [4] アレーン-26, 28-ジオール3を合成した。炭酸カリウム存在下, 3とヨウ化メチルとの反応では, パーシャルコーン4とコーン5の二つのコンフォーマーの混合物を与え, 各々の単離収率は40%, 26%であった。しかし, ジメチルホルムアミド中, 塩基に炭酸セシウムを用いてテトラエチレングリコールジトシレートと反応させたところ, クラウンエーテル鎖が架橋されてコンフォメーションがコーン型に固定されたカリックス [4] アレーン6のみを選択的に合成することに成功した。この新規二官能性カリックス [4] アレーンは, 四つのフェノールが同一方向に向いたコーン型のコンフォメーションをとっており, 界面等でのインターフェースとして, キノン等のゲストを包接可能とする十分な疎水性空間を有していることがプロトンNMRにより確認された。
著者
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佐藤 眞士
物質工学工技研
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杉原 秀樹
物質工学工業技術研究所
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村田 重夫
物質工学工業技術研究所
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有村 隆志
物質工学工技研
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杉原 秀樹
物質工学工技研
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佐藤 眞士
物質工学工業技術研究所
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井手 誠二
物質工学工業技術研究所
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