手首上腕血圧比に影響する因子の検討
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概要
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手首上腕血圧比や指上腕血圧比は,動脈硬化の進行に伴い低下するが,測定時の状態や合併症によっても変化する.今回,維持透析患者73例を,血液透析中に各々30回,上腕血圧,手首血圧,第2指基部血圧を測定し,2,190個のデータとして,影響する因子を検討した.各血圧比に影響する因子を,1)測定ごとに変化する測定因子(上腕収縮期血圧,上腕脈拍,血液透析の前半・後半)と,2)症例ごとに変化する動脈硬化因子(年齢,透析歴,喫煙・糖尿病・脂質異常症・心血管系合併症の有無,高血圧は正常血圧例が少なく除外)と,3)症例ごとに変化するその他の因子(心房細動・測定側の内シャント術遺残の有無)に分け検討した.これらの因子間と因子を構成する要素間には独立性が仮定され,また,各血圧比と要素との関係は2変量の関係から連続尺度では直線関係があって単回帰分析で解析でき,順序尺度・名義尺度では平均値の変化があって独立した2群の差の検定で解析できたことより,血圧比は各要素を説明変数とする質的変数を含む重回帰分析で解析できると考えられた.実際,重回帰分析の解は2,190個のデータをよく説明するものであった.
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