阿武隈山地南部における山地崩壊に与える森林の影響
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概要
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阿武隈山地南部の斜面崩壊は, その90%が北側斜面に発生している。本報告では主に森林に視点をあて, 樹木の成育状況を南北両斜面で比較し, 崩壊発生との関係を調べた。その結果, 崩壊は林令12年以下のところに多発し, 同林令地でも北側斜面の樹木の成育の悪さが認められた。特に北側斜面での根系発達の悪さは土壊緊縛力を弱め, 崩壊防止機能を低下させているものと考えられる。また, 土壌層においても北側斜面の発達が悪く, 母材層との境が明瞭であることから, 土壌層と母材層の間がすべり面となって崩壊につながるものと考えられる。
- 社団法人 日本地すべり学会の論文