自動搾乳システム導入農場で集団発生した伝染性乳房炎
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概要
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自動搾乳システム導入後3年経過した農場において、バルク乳と各個体の牛乳中体細胞数が増加した。この牛群の全搾乳牛の76%(19/25頭)の個体、全検査分房の43%(41/96分房)の分房から黄色ブドウ球菌(以下SA)が検出された。11頭では複数分房にSA感染が認められた。<BR>本農場の自動搾乳システムでは搾乳機1台の連続稼動であり、一般的なSA防除対策(感染牛の隔離、最後に別搾り、感染分房乳のみの廃棄)は困難であった。そのため本農場でのSA防除対策としては、淘汰、盲乳、泌乳期治療、早期乾乳による一斉乾乳期治療を組み合わせて実施しするように指導した。<BR>自動搾乳システムは、伝染性乳房炎が発生した場合、防除対策が取り難く、その対応が困難となることがわかった。そのため、自動搾乳システム導入農場では、SAの侵入及び蔓延防止のため、定期的、或いは体細胞数増加時に細菌培養検査を実施し、早期に感染牛の排除を実施すべきであると考えられた。
- 日本家畜臨床学会の論文