甚急性・急性乳房炎の菌種別薬剤感受性と初診時の臨床症状について
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概要
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甚急性および急性乳房炎に対する抗生物質と治療法の選択を的確に行うために、起因菌の薬剤感受性並らびに初診時における臨床症状について検討した。甚急性・急性乳房炎において、グラム陽性菌ではほとんどペニシリン耐性株がみられず、慢性のそれとは大きく異なっていた。また、グラム陽性菌はクロラムフェニコールに100%感受性を示した。甚急性・急性乳房炎の50症例をグラム陽性菌(30例)とグラム陰性菌(26例)に分類し、各々の初診時における臨床症状の差異について検討した。その結果、グラム陰性菌例では食欲廃絶、元気沈衰、乳房疼痛、乳汁の水様化および乳汁塩素濃度の上昇等の出現率が他に比べて著明な高値を示した。これらの所見は、地域差を考慮したとしても、臨地における治療法の選択に有益であると考えられる。
著者
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吉田 信次
青森県農業共済組合連合会東部家畜診療所
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天野 靖永
青森県農業共済組合連合会東部家畜診療所
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小林 和夫
青森県農業共済組合連合会東部家畜診療所
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角金 俊一
青森県農業共済組合連合会東部家畜診療所
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安孫子 治
青森県農業共済組合連合会東部家畜診療所
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高村 定男
青森県農業共済組合連合会東部家畜診療所
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新田 竹重
青森県農業共済組合連合会東部家畜診療所