乳牛の産後疾患の予防に対するビタミンAD<SUB>3</SUB>E剤経口投与の効果―特に投与時期の検討
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概要
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分娩予定の3週前、2週前、1週前および分娩直後に市販のビタミンAD<SUB>3</SUB>E(V-AD<SUB>3</SUB>E)剤(V-Aとして250万IU、V-D<SUB>3</SUB>として625万IUおよびV-Eとして625mg)を経口投与し、分娩前後の血中V-A、V-D代謝産物およびCa濃度の変化に及ぼす影響から、その効果を検討した。供試した29頭中19頭で種々の産後疾患が発症した。それらはV-AD<SUB>3</SUB>E剤の投与時期とは関係なく、臨床的評価ではそれらの予防効果は見られなかった。しかし、産後起立不能症は発症がなかったことから、V-D<SUB>3</SUB>投与がその予防効果のあることが示唆された。血中V-A濃度はいずれも分娩当日に低下し、分娩後1週目にやや上昇したが、これらの変動には分娩前の値が影響した。一方、胎盤停滞や乳房炎の発症牛では、分娩前のV-A濃度が低値を示した。血中Ca濃度は分娩当日に低下したが、分娩前1週の投与群ではその程度が軽く、また血中25(OH)D濃度は高値を示した。1α、25(OH)<SUB>2</SUB>Dは血中Ca濃度の低下に対して明瞭に反応した。以上のことから、乳牛の産後疾患の発症予防を目的としてV-AD<SUB>3</SUB>E剤を経口投与する場合、V-Aとして250万IUは量的に少なく、またV-D<SUB>3</SUB>として625万IUは分娩前1週に投与すると効果が期待できることが示唆された。
著者
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高橋 克仁
宮城県農業共済組合連合会白石家畜診療所
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高野 貞男
宮城県農業共済組合連合会白石家畜診療所
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熊谷 敏信
宮城県農業共済組合連合会白石家畜診療所
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大石 武志
宮城県農業共済組合連合会白石家畜診療所
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水沼 敏男
宮城県農業共済組合連合会白石家畜診療所
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菊池 薫
宮城県農業共済組合連合会白石家畜診療所
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木村 喜正
宮城県農業共済組合連合会白石家畜診療所
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大石 武志
宮城県農業共済組合連合会大衡家畜診療所
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