ラット下垂体前葉PAS陽性細胞の季節別観察
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
下垂体前葉PAS陽性細胞についての知見の増加から,その機能の推定がある程度可能であるので,成熟雄ラットを用いて年間の各時期の下垂体前葉PAS陽性細胞の所見を観察した。これらの所見を高温・低温曝露時の前葉PAS陽性細胞所見と照合した結果,1. 下垂体前葉PAS陽性細胞は冬期には胞体からPAS陽性顆粒が脱落し,細胞の機能抗進像を示し,夏期には胞体は萎縮し,顆粒は濃縮して機能減退像を示した。このことは高温,低温曝露時の前葉PAS陽性細胞にもみられた。このような変化は前葉中央部を中心とするPAS陽性細胞に最も著明にみられ,中葉に接する前葉先端部のβ細胞は温度変化に対してより抵抗を示す所見をえた。2. 自家所見からは,Purvesらのいう“thyrotrophs” “FSH gonadotrophs” “LH gonadotrophs”を各々識別することはできなかったが,TSH産生細胞はβ細胞のなかで主として前葉中央部に分布するという彼らの報告について考察し,自家所見の意味を論じた。
- 日本衛生学会の論文
著者
関連論文
- ラット下垂体前葉PAS陽性細胞の季節別観察
- 結核の経気感染に関する実験的研究 : (P32で標識したMycobacterium phleiを使つての予備実験)その2.空気中の菌のありかたの違いによる動物体内における菌分布の差について
- Studies on Bacterial Density of Environmental Air by Sodium Glutamate Filter Method:I. In Geographically and Socially Characteristic Environments