衣服の氣候調節力に関する研究 : 第2報 着服時の衣服表面温,露出部皮膚温
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
1年間にわたり,室温8∼31°Cの時,成人女子2名を被檢者として,季節服を着用した場合,室内で椅坐位の露出部皮膚温並に衣服表面温16箇所を銅・コンスタンタン熱電対を用い,10分毎に1.5時間測定した。測定回數は被検者Kが11回,同Nが10回である。測定開始後1∼1.5時間の平均値について成績を要約すると次の通りである。(1) 季節的に室温が31°Cから8°Cに低下する場合,頭部温(露出)は34°Cから26°Cに下降する。頭部温と室温との差は3.5°Cから20.4°Cと大きくなる。躯幹部・上肢部はともに34°Cから13°Cに下降し,下肢部は33°Cから13°Cに下降し,これら各部表面温と室温との差は4°Cまたは5°C内外で,室温30°Cになるとやゝ小さくなる。平均表面温は33°Cから13°Cに下降し,室温との差は2.3∼7.7°Cで漸次増加の傾向がある。(2) ほゞ快適な時の平均表面温と室温との差は4.2∼5.2平均4.7°Cで,裸体時のそれとほゞ同温である。着服時の快適室温は22∼28°Cで,裸体時の快適室温26∼30°Cより低温となる。