身体上下移動運動における固視機能の研究 : 正常者および迷路障害者の観察
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概要
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歩行・駆け足中の固視機能と動揺視の発現機序を検討するため振子様上下移動装置を用い正常者10名と迷路機能消失例4名の一点固視と暗所における頭部・眼球運動を観察した.<BR>正常者, 迷路機能消失例とも, 歩行に相当する上下移動では頭部運動が起こらず固視は維持されたが, 駆け足に相当する上下移動では頭部の前後回転運動が起こり視標のブレが経験された. 頭部前後回転運動・垂直眼球運動は歩行相当の運動では能動運動より小さかったが駆け足相当の運動では大きくなった.<BR>高頻度大振幅の上下運動では非VOR性の物理的眼球運動が起こり, 迷路機能消失例の動揺視には足の踏み替えによる身体の直線運動の増大が大きく関与すると思われた.