緑膿菌性中耳炎の免疫学的研究 : 感作赤血球凝集反応と皮内反応について
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概要
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(目的) 緑膿菌性中耳炎の免疫学的な検討を試みた.<BR>(方法) 緑膿菌多糖体分画を抗原とせる感作赤血球凝集反応とホルマリン死菌ワクチンの皮内反応を免疫家兎および緑膿菌性中耳炎患者に行ない, それぞれ対照群と比較した.<BR>(結果)<BR>(1) 免疫前の家兎血清抗体価は40倍以下であった. 免疫2週後では640倍であり, 10週後に40倍以下に復した.<BR>(2) 免疫家兎の皮内反応は1時間後から出現し, 発赤は6時間前後に最大値を示し平均13.7mmであった. 正常家兎は12時間前後に最大値を示し平均7.0mmであった.<BR>(3) 緑膿菌性中耳炎患者の血清抗体価は40倍から2,560倍までであった. 慢性中耳炎の急性増悪期では高値を示した. 正常人の血清抗体価は40倍から640倍で, 1280倍以上のものはなかった.<BR>(4) 慢性中耳炎患者の皮内反応は急性増悪期の症例で早期に強く出現する傾向を認めた. 正常人では出現は遅く発赤も著明ではなかった.