蝸牛のコハク酸脱水素酵素と乳酸脱水素酵素に関する研究 : その組織化学的証明方法の検討と音響による影響について
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概要
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私はモルモット蝸牛のコハク酸脱水素酵素 (SDH) と乳酸脱水素酵素 (LDH) を組織化学的に証明した.<BR>結果は次の通りである.<BR>第1章<BR>1) 新鮮蝸牛を基質を省いた反応後で反応させた時, 基質液で反応させた時と同じ場所にホルマザンの沈澱を認めた.<BR>2) この非特異反応は蝸牛組織のendogenous activityによるものであり, それ自体物質代謝の表現である.<BR>3) この非特異反応を除くために, 新鮮蝸牛を冷アセトン固定15分後0℃生理的食塩水で5日間処理してみると, この反応は消失した.<BR>この方法でSDHとLDHを特異的に証明できる.<BR>第2章<BR>1) SDH活性は血管帯, ラセン靱帯下部では強く, 有毛細胞では弱い. これに対しLDH活性は有毛細胞で強く, 血管帯, ラセン靱帯下部で弱い. ラセン靱帯上部では両酵素の活性は同程度であつた.<BR>2) 有毛細胞の機能は嫌気的エネルギー産生に負うところが大きく特に上方回転でこの傾向は強い.<BR>3) 酸素欠乏, 音響負荷により有毛細胞のSDH活性は基礎回転程低下する. LDH活性には変化を認めなかつた.<BR>4) この事実は好気的エネルギー産生機構が障害されても嫌気的エネルギー産生がこれを補うことを示している.<BR>5) 音響負荷後の動物を無音環境下と自然環境下で飼育すると, SDH活性の回復は無音環境下においたものの方が著明であつた.
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