吃音評価の試み : ―吃音検査法の検討を通して―
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
日本音声言語医学会吃音検査法検討小委員会から提起された吃音検査法を実際に試用した.記録に時間がかかり, 全体像がっかみにくいという問題点があるが, それ以上にかなり細部にわたる吃症状の分類や重症度に信頼性が少ないことを明らかにした.さらに, 従来の検査法についても検討を加えた.<BR>吃音検査は, その後の処遇に結びついてこそ意味がある.われわれは従来から吃音児 (者) の指導に関しては吃症状の消失および改善に, 吃音問題解決の重点を置くのではなく, 日常生活のなかでの吃音からくる影響, また吃音に対する意識を把握し, それをもとにした生活指導こそ重要であると主張してきた.<BR>われわれの主張する吃音問題解決に結びつく検査法を確立する目的で, 成人吃音者の吃音からくる影響, 意識度, また人間関係について調査をした.