ヘビーペーパークロマトグラフィーによるEPN(O-ethyl O-<I>p</I>-nitrophenyl benzenethiophosphonate)の分析
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概要
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ペーパークロマトグラフィーによるEPNの新しい定量分析法を報告する.この方法は従来のEPN分析法のようにEPN類縁化合物に影響されることなく,分析の特異性,再現性,精度とも良好な結果を示した.クロマトグラフィーには厚さ約0.7mmのheavy-paperを使用し,試料量としては数百mg程度まで取扱い得る.固定相にエチレンクロルヒドリン-メタノールの容量比1:1の溶媒系を選び,<I>n</I>-ヘキサンを移動相として試料を下降法により展開,分離をおこなった.展開後紫外線照射下にEPNのスポットを検出し,この部分からエーテルによりEPNを抽出し蒸発乾燥後秤量してEPN量を求めた.純品および成分既知の混合物についての回収率は99.9%および99.6%であった.この方法を工業用EPN(原体)に適用した際の分析値は3種の試料についておのおの69.09±0.68%,81.38±0.44%,85.47±0.47%(±の項は標準偏差)という結果が得られ,これらの値はほぼ生物検定値と一致した.これらの結果から本法は工業用EPN,乳剤,粉剤の現場分析に有効であることが示される.
- 社団法人 日本分析化学会の論文