ケルダール分解液の直接比色による有機窒素定量
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概要
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一般に広くおこなわれているケルダール窒素定量方法は,試料の分解,アンモニアの蒸留,滴定の三操作からなっている.われわれは,この蒸留操作をおこなわず分解液中のアンモニアを直接比色定量する分析方法を研究し,ミクロ量の有機化合物に対して実験をおこない,精度,正確さ,迅速性ともに良好な結果を得た.比色操作は,ピリジン-ピラゾロン試薬法により光電比色計で460mμのフィルターを用い,次のような検討結果を得た.<BR>(i)分解液の中和は,酢酸ナトリウムで容易にpHを一定にできる.<BR>(ii)分解剤の水銀塩およびセレンは呈色に一定の影響をあたえる.<BR>(iii)超微量および極微量の窒素定量方法としても良好である.<BR>(iv)分析所要時間は試料分解に20分,比色操作に15分程度である.