標準試薬塩化ナトリウム中の微量マグネシウムの定量 : キシリジルブルーによる光電比色方法
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概要
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キシリジルブルーをもちいる高純度に精製した塩化ナトリウム中の微量マグネシウムの比色定量について,その発色条件および共存塩の影響の検討を行った.その結果塩化ナトリウムの共存の影響は大きく,試料塩1g(高純度のため試料採取量の最低量)の共存での標準検量線に対し,夾雑するマグネシウムが低γのときは吸光度は高値になり,高γになるにしたがって低値をしめすが,その検量線は直線であることがわかった.それらの影響をさけるためには塩を分離するか,またはマグネシウムの夾雑の全くない標準塩を共存せしめるかであるが,いずれも実際的に困難である.そこでその対策についての方法として,試料塩溶液にEDTA試薬を添加し,呈色操作を行って吸光度を測定した結果,マグネシウムが完全にインペイされていることを確認した.このことはマグネシウムを全く夾雑しない純塩化ナトリウムを共存せしめたときと同じ影響をうけた検量線の原点をえたことになり,その原点から直線外挿法をもちいて定量することができる.本方法をもちいて標準試薬塩化ナトリウム中のマグネシウムは0.00023%を±0.00001%のよい精度で定量ができた.
- 社団法人 日本分析化学会の論文