ケイ酸塩鉱物(雲母)中のフッ素の比色定量法-チオシアン酸鉄法
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概要
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含フッ素ケイ酸塩鉱物中のフッ素を定量する場合,通常,鉱物中より抽出したフッ素をフッ化カルシウムとして重量法により定量しているが,この方法はフッ化カルシウムの大きい溶解度のため,1gの試料について,上記の方法を適用しても0.04〜0.05%のフッ素は全く逃れ去って定量にかかってこない.得難い試料を取扱う場合,0.1g程度の試料により,0.1〜1.0%のフッ素を1gの試料を用いたと同じあるいはそれ以上の正確度の分析値を得たいことがしばしばある.著者らは,フッ化カルシウム法(重量法)で求めたケイ酸塩鉱物中のフッ素含有量が,どの程度の誤差をもっているかを検討した.さらに,フッ素イオンによるチオシアン酸鉄の退色を利用してフッ素を比色定量する方法を用いて,少量の試料で雲母中のフッ素を容易に定量し得たので,その方法について報告する.
- 社団法人 日本分析化学会の論文