鉄,トロポロンの相互定量ならびにその錯塩の生成定数
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概要
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第二鉄塩とトロポロンが反応するときにできる緑色および褐赤色の錯塩を利用して鉄およびトロポロン相互の定量を行い,あわせて緑色錯塩の組成および生成定数を求めた.緑色の錯塩は鉄(III)が過剰に存在するときにでき,水によく溶け,435mμおよび582mμを中心とした幅の広い吸収帯が見られる.0.05〜1.0<I>N</I>の酸性度で発色した場合吸光度に差が認められない.トロポロンが過剰に存在する場合には褐赤色の錯塩ができ,水には溶けにくいがベンゼンに溶け,ベンゼンに溶かした場合,425mμ,550mμおよび595mμ附近に吸収の趣大点が見られた.pH1.3〜8.5で反応させても差異は見られない.<BR>緑色錯塩の組成は1:1で,その生成定数として<I>k</I><SUB>1</SUB>=1.0×10<SUP>11</SUP>を得た.褐赤色錯塩の組成は1:3と考えられる.
- 社団法人 日本分析化学会の論文