アスピリンやNSAIDs投与による,大腸憩室炎と憩室出血発症の危険性増加について
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概要
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アスピリンを含めたNSAIDs投与が,大腸憩室炎や憩室出血の病因としてその頻度を増加させるか否かについて,大規模なコホート研究を行った.方法は,47,210人の40-75歳の米国男性を調査したところ,最近の22年間に,939人の憩室炎と256人の憩室出血を認めた.これらの症例で,週2回以上アスピリンを服用していれば,服用していない場合と比較して,憩室炎では1.25のハザードレイショ(以下HRの値),出血には1.70の結果を得た.アスピリンを中等量服用(325mg/週),あるいは頻回服用(4-6日/週)すれば,極めて高い出血率を認めた.一方,NSAIDsの常用者は,非服用者と比べて憩室炎は1.72,出血においては1.74の発症率を認めた.結論として,アスピリンないしはNSAIDsは,憩室のこれら合併症の更なる発症の危険性を高めるので,十分な注意が必要である.