ケイ酸塩分析において注意すべき問題点
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概要
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ケイ酸塩の分析には,標準法として化学分析が,機器分析では,けい光X線,発光分光,吸光光度分析,最近は原子吸光分析も利用される.<BR>化学分析は重量法と滴定法の組み合わされたもので,分離とひょう量,滴定のくりかえしで,あきあきするほど長時間を要する.<BR>試料の処理では,鉱酸のみで分解されるものは少なく,アルカリおよび酸性融解を行なわねばならない.分離操作もめんどうで,精度,正確さを確保するには相当の熟練が必要である.迅速に行なうためにいろいろの分析方法が提案されている.ケイ酸の分離に過塩素酸の利用はその一つであり,EDTA滴定の開発により,アルミニウム,カルシウム,マグネシウムなどは迅速かつ精度よく定量できるようになった.従来,ケイ酸塩の分析結果の総計が101%ぐらいになれば,正しい操作が行なわれたものと考えられたが,この誤差の原因や,筆者が経験している注意すべき点について簡単に紹介する.
- 社団法人 日本分析化学会の論文