14 大気汚染分析
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概要
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近時,大気汚染問題は国の内外を問わず,社会的に大きく取り上げられ,その抜本的対策の確立が強く要望されている.欧米ではすでに関係法令が定められ,各種の対策が実施されているが,わが国でもさる1962年6月「ばい煙の排出の規制等に関する法律」が公布され,京浜,阪神および北九州などの主要工業地域に適用されている.1963年7月には前記の地域指定と同時に煙道排ガス中のばいじん量および燃焼排ガス中の全イオウ酸化物濃度に関する排出基準の設定をみ,さらに1963年12月にはスモッグ対策に関連して亜硫酸ガス濃度などの基準が定められ,ばい煙や有害ガスなどの大気汚染物質の科学的測定はいよいよその重要性を増してきている.<BR>最近における大気汚染の傾向としては発ガン性物質といわれているベンツピレンや自動車排気ガス中の炭化水素などの有機化合物の機器による測定に関する研究報告がかなり多く見受けられる.<BR>本進歩総説は1961年から1963年までの間の論文を採用したが,測定法を含めた大気汚染全般にわたる一般著書も相当多く,またこれらについてエアロゾル,ガス分析およびフィールドサンプリングなど広範囲にわたる総説もある.
- 社団法人 日本分析化学会の論文