EDTA中の微量鉄の比色定量法
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概要
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JIS K 8107に規定されたエチレンジアミン四酢酸二ナトリウム塩(EDTA)中の鉄の試験方法は,EDTAに硫酸を加えて強熱灰化後塩酸および硝酸を加えて水浴上で蒸発乾固し,残分を水に溶解してその溶液中の鉄をチオシアン酸カリウムで発色させ,一方,同じようにして標準鉄による発色とを比較する方法である.この方法では強熱灰化に長時間を必要とし,また,るつぼを用いて強熱灰化する操作のはじめと蒸発乾固するときは,るつぼのふたをとらなければならないので,実験室またはドラフト中のじんあいが混入する機会が多く測定結果もバラツキが多くなる.そこで本法ではセミミクロケルダール分解装置を用いて,試料を硝酸で湿式分解したのち鉄をバソフェナントロリンで比色定量することによって,JIS法に比較して操作時間の短縮およびバラツキを少なくすることができた。
- 社団法人 日本分析化学会の論文