フェニルフルオロン法による食塩中の微量スズの定量
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概要
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微量スズの定量のため水酸化第二鉄による共沈でスズ(IV)を捕集し,イオン交換樹脂による吸着またはメチルイソブチルケトンによる抽出で妨害イオンを除いたのち,スズをフェニルフルオロン法により光度定量する方法を検討し,食塩中のスズの定量に応用した.食塩250g/<I>l</I>の供試液をPh6〜7に調節し,鉄(III)2.5mgを加えてスズを共沈捕集し,妨害イオンのモリブデンは液中に残して分離した.この沈殿は塩酸にとかし,陰イオン交換樹脂に吸着させ,塩酸(0.5<I>N</I>)で洗浄することによりビスマスおよび水銀以外の妨害イオンを除去しえた.なおビスマスおよび水銀は,塩酸(4〜7<I>N</I>)硫酸(0.5<I>N</I>)の混酸溶液中よりメチルイソブチルケトン抽出により除去される.これらの分離法により98%以上のスズが分離回収され,フェニルフルオロン法による食塩中のスズの定量が可能となった.なお,本法を海水,にがりについても応用し良好な結果を得た.
- 社団法人 日本分析化学会の論文