硫酸塩の迅速定量法 : ロジゾン酸ナトリウム試験紙を用いるアンモニウム,ナトリウムおよびカリウム各硫酸塩類の容量分析
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概要
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硫酸塩の迅速定量法として定従来,遠心分離法<SUP>1)</SUP>,比濁法<SUP>2)</SUP>および各種の容量法がある.容量法については,SchroederのReview<SUP>3)</SUP>があるがベンジジン法,クロム酸塩法<SUP>4)</SUP>,炭酸塩法<SUP>5)</SUP>,シュウ酸塩法,ヨウ素酸塩法,硝酸鉛標準溶液滴定法<SUP>6)</SUP>,塩化バリウム標準溶液で電位差滴定<SUP>7)</SUP>或は高周波滴定する方法<SUP>8)</SUP>,EDTA法<SUP>9)</SUP>またはイオン交換法<SUP>10)</SUP>など極めて多数ありそれぞれ特長があるが,あるもの定濾過を要し操作が相当繁雑であり,またあるものは特殊の装置を要するなど硫酸塩類の簡便な迅速定量法としては一長一短のようである.またバリウムイオンに対し鋭敏な呈色反応を示すロジゾン酸ナトリウム或はテトラハイドロキシキノンを液内指示薬とし塩化バリウム標準溶液で滴定を行う研究<SUP>11)</SUP>が多数あるが,これら有機試薬の水溶液は相当不安定であり,また滴定に際し多量の有機溶媒が必要である.この方法は半微量の硫酸根定量には応用可能であろうが,常量の硫酸根に対しては終点の判定が困難となり満足な結果を得難い.<BR>著者はさきに長期間保存でき感度も変らぬロジゾン酸ナトリウム試験紙を作製し,定性分析および混酸中の硫酸分各迅速容量分析に応用し,入谷・田中等は有機化合物中の硫黄の容量分析に利用した.<BR>今回,著者定この方法をアンモニウム,ナトリウム,およびカリウム各硫酸塩類の常量の迅速分析に応用したところ,有機溶媒などを要せず経済的であり,所要時間も10min以内で正確度,再現性も相当によいことがわかったのでその結果を報告する.
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