アミノ酸の呈色反応主としてNinhydrin反応について
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概要
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従来アミル酸の呈色反応として文献に現われたものは数多く,その有用なものに関しては赤堀,水島およびBiock, Bolling等の成書に記載されており,われわれはその全貌を知ることができる.<BR>すべての有機化合物がそうであるようにアミノ酸に特有の呈色反応といったものはなく,アミノ酸の有するいずれかの反応基の呈色反応に過ぎないので,記載された呈色反応をもって直ちにアミノ酸を確認し,定量するということは望めず,必ず何らかの分離精制の手段を併用しなければならない.しかしペーパーパーチション・クロマトグラフィーを始めとする種々の分離,精制手段が確立している現在では個々のアミノ酸の呈色反応よりもむしろアミノ酸全般になるべく共通間呈色反応の方がより重要と思われ,近年文献上に現われるこの方面の研究の趨勢も前記微量分離精制手段を前提とし,かつ比色定量に応用可能の簡便な方法を主眼としているようである.そこで本稿では個々のアミノ酸の呈色反応についてはこれを前記成書に譲り,最近の研究から特に興味あるものを取り出して述べようと思う.
- 社団法人 日本分析化学会の論文